2011.0409.10 奥多摩Deep South 笹尾根歩き1 (三頭山から高尾山)
1日目 三頭山~槇寄山~笹ヶタワ峰~浅間峠
やはり前回のハイキングから空いた2ヶ月のブランクは大きかった。山は冬から春へと季節を変えているし装備を冬から春にガラっと変えなきゃならないし。苦戦しながらもパッキングを終えて、地図だ天気予報だ等の細かな準備が終わった時には既に朝の4時を過ぎていた。結局、睡眠を取れずに徹夜ハイクの幕開けとなってしまった。
駐輪場に自転車を止め、まだ暗い三鷹駅までテラスを歩いていると朝の5時前にも関わらず人の姿がまばらながらも見受けられた。朝まで飲んで始発待ちかな。こうやって少しづつ日常を取り戻していくのかなぁ、なんて思っているといきなり横から声を掛けられた。
”ジャキさん!?”
声の方へ振り返るとツイッタのフォロワーさんで三鷹の常連さんの@Hrk_55さんが小走りで近づいて来た。
”君もこんな時間まで飲んでたのかい?”
話は遡ること2日前。仕事帰りに奥多摩情報を手に入れる為に三鷹の道具屋に顔を出したところ、ばったり@Hrk_55と遭遇。奥多摩から高尾まで1泊2日で歩く、と週末の予定を話すと興味を持った様だったので、良かったら行くかい、とだけ声を掛けておいた。ルートなどの質問を受け、行程を記載した地図を渡すと食い入るように目でルートを追っていた。行こうかな・・・予定を調整してみるんでDMします、と一言。お、何か乗る気満々だね。でも@Hrk_55、週末は雨だぜ?
翌日、@Hrk_55から、土曜は午前中にヤボ用があり無理なので行けないです、とのDMが入った。そうかい、じゃ、また機会があったらね。さては予報の雨風にビビったな・・・
早朝の駅前に話は戻る。彼は言った。
”雨でも本当に行くんですね”
今回はIntegral Designsのシルポンチョのテストも兼ねているのだ。ポンチョとしての使用テストと雨風の中でのタープ幕営テスト。だから雨具上下は持参せずORのバーグラスゲイターを持参している。”雨だから”行くのだ。晴れの日に雨具のテストは出来ないのだ。無風の日に耐風テストも出来ないのだ。出発時刻が迫ってきたので別れを告げ、駅に向かう僕の背中に声が掛かった。日曜日に高尾山までジャキさん向かえに行くかも、と。おうよ、逢えたら会おうぜ。
青梅駅を過ぎたあたりから雨が降り始めた。しっかり降り始めた様なので車内でクリームパンとソイジョイの朝食を摂った。奥多摩駅に降り立ったのは僕一人。もちろん6:い55発の鴨沢西行きのバスも貸切だ。
前日に奥多摩湖の減水によりドラム缶橋は外されている、との情報は得ていたので一つ先の深山橋BSでバスを降りムロクボ尾根から三頭山を目指す。
雨の中、細い尾根を伝い高度を上げていく。大好きなダケカンバも奥のほうにチラホラと。
ヌカザス尾根との合流地点。ここの手前の最後の登りのザレ場が実にいやらしい。木の根を掴みながら両手使って四足で登る。
ミズナラとブナのバランスが良い好みの森。
多少の雨ならスコーミッシュ・フーディで十分のような気が・・・。水滴を大いに弾くし仮に濡れてもすぐ乾くし。森林限界を越えなければスコーミッシュ・フーディとシルポンチョで結構行けるんじゃないかって。
入小沢ノ峰を過ぎたあたりから雨脚が強くなったのでシルポンチョをかぶる。裾は結いたので大分歩きやすくはなった。時折吹き付ける風が裾をバタつかせて少し気になったが概ね許容範囲。20分程度で雨は弱まったので脱いでしまったけれども臨時の雨具としてだったら十分使える。けど写真撮るのを忘れてた!
三頭山の山頂手前、北側斜面のトラバースエリアが100mほどアイスバーンで危険を感じたので横着せずにスパイダーを装着。こういった早めの決断が怪我を未然に防ぐはずだ。
10:27三頭山到着。しかし今回はあくまでも通過ポイントの1つなだけなので展望台には登らす先に進む。高度計はちゃんと合わせてねw
大沢山から槇寄山の間は魅力的なフラット多数。
11:55槇寄山。
雨が止んでいるうちにベンチに腰を下ろし昼食を摂ることにする。
練乳うまし。
まだまだ先は長い。まだまだ動かなきゃならない。
この後も名も無き峠を幾つも越えていく。トレイルに大した変化も無く小雨と霧と風の中、心を無にして進む。時折、展望が望めそうなポイントがあったけれども曇天の為、何も見えず。そもそも展望を期待したハイキングでもない。ただ長い距離を歩きたい、という理由のみでこのトレイルを選んだのだ。
以前から気になっていた変わった読みの地名。ここは確実に臭う。この地域は旧伊奈道からも外れており檜原村の最奥地にあたるはず。そして奥多摩北部と違い奥多摩南部は渡来人文化の影響が薄いのか和名に近い地名が多くなる。その点も興味を惹かれる。それにしてもこの地名。山の民の里か。はたまた風魔の隠れ里だったのか。
日原峠の水場。途中で水をこぼしてしまったので水の補給は急務。だって晩飯がアレだからね。枯れていない事を願い水場に下っていく。水場までは10分位は掛かるが水量もそこそこ豊富だったので一安心。この水量なら雪に埋もれなければ冬でも使えるかな。既にこの時点で15:22。今日中に目標の浅間峠周辺までは行けそうだ。
風は収まってきたが日暮れを前にして雨霧が濃くなってきた。時折、濃い霧の中に突っ込むと先が全然見えない。視界は何メートル位あるのだろう。気温も下がってきた。開けたトレイルにさしかかると方向を失いそうになりロストしないように警戒しながら歩く。
前方に意識を集中して歩いていると乳白色の森の向こうに開けた空間を発見した。そこが今日の最終目的地の浅間峠だった。
この濃霧で下川乗のキャンベルロッヂまで降りる気にはならない。16:28、僕はここ浅間峠でビバークする事に決めた。目の前にあるあづま屋の誘惑に勝てる訳ない。それにしても遂にここまで来たか。へとへとだけど達成感。よく頑張った。それにしても長かったなぁ。
Misty / Ella Fitzgerald
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Justgivingの「ハイカーによる東北太平洋沖地震復興支援」
今、自分が出来る範囲で。一人より皆で集める元気玉。
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このような天候で山に行く、その気合に拍手です
私なら間違いなく自宅にて停滞であります
しかしながらガスに包まれた森の神秘的な姿
私には決して見ることの出来ない景色であります・・・
少しくらいの雨なら、やっぱり山に行かなきゃいけないんでしょうね・・・
ザックにぶら下がっているカップが
コフランのAカップじゃなくなっているのが気がかりです・・・
投稿: samantha802 | 2011年4月16日 (土) 17時45分
samantha802さん、どうもです。
今回は自分に課したハイキングだったので。
疲れるまで歩いて空っぽにしろ、と。
雨だからといって翌週に延ばしたら意味が無いような気がしまして。
退屈なトレイルだと思いますが”無心”には成れます。
色々な想いを巡らせて空にする、みたいな。
歩いて歩かない、みたいな禅問答紛いの事を考えながら歩いてましたよw
>ザックにぶら下がっているカップが
そういった所、よく見てますよねw
クピルカです。これ良いです。
最初は独特な匂いがありますが使っていると直ぐ取れますよ。
まぁ、ククサ高いんでねw
投稿: jackie | 2011年4月17日 (日) 08時35分