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2012年4月29日 (日)

2012.0324.25 八ヶ岳スノーハイキング (黒百合平~高見石)3

賽の河原にて。

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身支度を整えてシェルターの外に出る。吹雪の礫は幾分小さくはなったが吹き付ける風が撤収作業の邪魔をする。踏み固めた雪面に打ち込んだペグを抜くのに難儀しながらもシェルターを畳みGustに再パッキング。食料を消費した分、パックウェイトも軽くなり背中にピッタリと張り付く。しかし冬道具一式を背負ったバルキーなパッキングの為か横風を受け、ふわりと体が煽られた。慌ててバックパックを下ろす。ここで弱気が胸をかすめる。この風を、いやもっと強い風を稜線で受けたらどうなるんだろう・・・

既に準備を整えたバダさんとアキラは山岳学生と談笑している。本音を言えばバックパックは黒百合ヒュッテにデポって空気抵抗を抑えた空身の状態で行きたい。しかし僕はハイカーだ。生活道具一式を詰めた大きな甲羅を背負って歩く亀。ピークを踏むのはあくまでも旅の途中。峠も頂きも僕の中では同意語なのだ。デポって上るのは僕の作法じゃない。Gustに付いた雪を払い背負いあげる。ショルダーハーネスを絞り、ウエストベルトをいつも以上に締めるとGustが身体にぴたりと引っ付いた。もし稜線でちょっとでも強風に煽られたなら大げさでも恥ずかしがらずに雑誌で見た耐風ポジションってヤツを取ればよい。

先ほどまで談笑していた山岳学生を天狗岳に送り出したてバダさんとアキラがこちらに向かってきた。僕は彼らに向かい親指を立てる。俺は何時でも良いぜ。一抹の不安はある。しかし僕はハイカーだ。トレイルの先に何があるのか。僕はそっちに用がある。行かなきゃ見えない景色が僕を待ってるのだ。(ガスってるけど)

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吹雪は収まりつつあるけど風強し。無理なら引き返せば良い。僕らは天狗岳に向けて黒百合ヒュッテを後にした。

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樹林帯を抜け緩かな登りに差し掛かった頃、マイクロスパイクを装着した足に湿った雪が付着してドラえもんの足のような雪団子になっている。その都度、ストックでこそぎ落とす。ロンドンブーツで歩いている様な感覚。雪団子を嫌い、すり足で歩いたりしてみる。中山峠の小さな登りの前にはクランポンの爪が雪団子に埋まり雪面を上手く噛まずにグリップが効きにくい。

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中山峠の手前、樹林帯の中を歩きながら考える。強風といいクランポンといい、不安材料が二つも出てきた。そもそも今回はピッケルは持ってきていない。つまり滑落した時に体を止める術がないのだ。

振り返るとすぐ後ろにLeeが歩いていた。眉毛やヒゲに雪をたたえ、白い吐息を纏ったLeeが僕を見上げた。なぁ、Lee。こんな時はどうしたらよいのかな?

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中山峠に到着して今後のルートの打ち合わせをした。天狗に行けない事もないと思う。ただ視界不良に吹雪に強風。天候の回復も見込めない。仮にピークに立ったとしても何も見えないだろう。それならのんびりスノーハイキングに切り替えれば良いじゃないか。3人で話し合った結果、中山峠から北上して高見岩を目指す事になった。もっ、みんな大人なんだからw

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昨夜からの吹雪で樹林帯はすべて海老の尻尾が形成されている。真っ白な樹氷の森を北へ向かう。

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めっちゃくちゃ綺麗。過酷な自然が作り出す雪の彫刻に足が止まる。

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一時、吹雪が弱まり一瞬だけ晴れ間が覗いた。ほんの一瞬。分厚い雲の上に青空を確認。すわ天候回復か、と天狗を諦めた事を少し後悔したが、また分厚い雲に覆われ吹雪始める。

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Side Adjuster Strap (for Golite Gust) / Jindaiji Mountain Worksをシングルで装着するバダさんのGolite Gust。らっきょボディが可愛い。

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本日の最高点、中山を通過。

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とにかく風が強い。ガスが次から次へと抜けてくる。

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展望台のところで一瞬ルートがわからなくなる。風とガスが視界を奪う。開けた場所から樹林帯への入口が見当たらない。GPSで確認して方角だけ確認して突っ込むと樹林帯の割れ目を発見した。吹雪とガスで視界を奪われると方向感覚も失う事を初めて経験した。硫黄岳山頂の濃霧時における注意書きの意味が初めて身を持ってわかった。

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展望台周辺。開けてるエリアだけに風も強かった。海老の尻尾もこの一帯が一番長く形成されていた。

強風の中を一緒に歩くLeeにもつららが。頑張れ、Lee!

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樹林帯を抜けると高見石小屋に到着。荷物をデポって(ん?今朝言ってた事と違う気が・・・)高見石に空身で登る。

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鈍色(にびいろ)の世界。

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ここで雲が動く。主稜線の山肌を雲が動く。中山方面から落ちてくるガスの塊をやり過ごしていると一瞬、青空が見えた。何かよく分からないけど、自然すげぇ!

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高見石を堪能して小屋に戻り乾いた喉を練乳かき氷で潤す。

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喰らう。

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高見石小屋で会った子供連れの家族に練乳かき氷を振る舞いしばし歓談。さぁ、渋の湯に向けて最後のハイクだ。
 
 

賽ノ河原。視界明朗なれど風強し。

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賽の河原を抜け樹林帯に入ると日が射してきた。渋の湯まではあともうちょっと。

 

天狗岳は登れなかったし、終始悪天候の中のハイキングを強いられたけどね。でも悪くない。これが冬山。鈍色の世界、ってヤツだ。やっぱりハイキングは最高だ。来年こそはピッケル持って天狗岳リベンジするよ。

さぁ、渋の湯が待ってるぜ。

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終わり。

 

Poetry Man / Phoebe Snow

 

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コメント

こんにちは。楽しく拝見させていただいています。
この夏に八ヶ岳に行きますが、冬は結構過酷な環境ですね。
気の合う仲間との登山。かなりかっこいいですね。
ではまたお邪魔します。

s sofさん、どうもです。

気温の-17度は別に問題無いのですが吹雪には参りました。
シェルター内で雪に埋もれるとはw
夏の八ヶ岳は涼しくて良いですね。
でも夏場は虫対策ですよ。
特にブヨ系のやつ。あれは手ごわい。
吹雪の方がマシかも、ですw

忙しくてあまり更新出来ないですけど
またよろしくお願いしますね。

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